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北九州まちづくりマネジメントチーム共同事業体

伝統と革新による“まちのリデザイン”への挑戦 ~ローカル・イノベーションを実践する小倉城・しろテラスの挑戦~

2020.01.24福岡県 | サービス業(他に分類されないもの)

おもてなし規格認証 取得企業インタビュー


一般社団まちはチームだ 代表理事 岡 秀樹さん

福岡県北九州市のシンボルである小倉城には、ラウンジスペース、カフェ、お土産販売、観光案内を統合したおもてなし拠点のしろテラスがあります。2019年に小倉城のリニューアルとともにオープンし、おもてなし規格認証 トラベラー・フレンドリー金認証を取得しました。現在は小倉城を起点とする新たなカタチのまちづくりとして、地域社会発のイノベーション創出に取り組んでいます。今回はその運営主体である北九州まちづくりマネジメントチーム共同事業体に参画中の一般社団法人 まちはチームだ 代表理事 岡 秀樹さんに、新たなまちづくりの在り方についてお話を伺いました。なお、岡さんは同じくトラベラー・フレンドリー金認証を取得した秘密基地のオーナーでもあります。

(取材:一般社団法人OSTi 理事 渋谷 健)
 

小倉城
公式サイト

 

「目指すものは伝統と革新による新たな地域社会」


小倉城のおもてなし拠点 しろテラス

―― 北九州市は課題先進地域です。

はい、高齢化率は30%を超え、ものづくりで発展してきた従来の産業構造は低迷しています。一方で古くは宮本武蔵のゆかりの地でもあり、近代においては海運や炭鉱、製鉄なで産業発展してきた歴史もあり、現在は創業の街としても注目されています。
私たちはしろテラスを運営するまでに、コワーキングスペース秘密基地での活動を通じ、地域の歴史や文化などの伝統的な価値とスタートアップなどの革新的価値を融合させ成果を挙げてきました。そしてこれが地域社会発のイノベーションモデルであり、地方創生のあるべき姿だと確信しています。  


小倉城のおもてなし拠点 しろテラス

今回、しろテラスで実践したいことは単純です。秘密基地で得た学びを最大限活かし、地域と共有することです。そして伝統と革新の2つの価値を融合して地域社会をリデザインし、世界に発信できる、地域の方々が誇りにできる、次世代につないでいけるまちを築くことです。

「しろテラスには地域の象徴として成長する義務がある」


小倉城の天守閣でのイベントの様子

――しろテラスはこれからどう成長していくのでしょう。

私たちが今回取り組んでいるしろテラスに課せられた責務は、単純に店舗として収益を上げることではなく、地域の象徴として成長し続けることだと考えています。なぜならしろテラスの成長は小倉城がブランディングされたことの証であり、地域に多くの人々が訪れ、地域が成長している証明になるからです。


小倉城の天守閣でのイベントの様子

具体的にはまずはわかりやすい指標としてみやげもの販売の年商を2021年度には現在の4倍程度まで引き上げたいと考えています。そのためにAIを活用した業務運用の効率化を行うとともに、海外の旅行代理店と連携して小倉城および小倉城庭園を訪れる観光客を35万人規模にまで拡大していきます。
ただし目標数値だけ掲げても事業成長はしません。実践にあたってはコミュニティの力を最大限活用します。幅広い力を集結して社会に価値ある事業で稼げる体制を、地域社会と築いていきます。例えばこれまでになかったお城の夜間利用としてパーティーイベントなども積極展開していきます。

「最も重要なことは文化の0⇒1マインド」


しろテラスに関わる関係者での対話@秘密基地

――コミュニティの力を最大限発揮するために何が大切でしょうか。

なによりも一人一人のマインドセットが必要です。ただし、精神論ではありません。決まっていないことを楽しみ、新しい可能性に挑戦し、社会を進化させる価値を0から自分たちの手で創り出せることを知っている、みんなで共有できている、ということです。
ただし誰もが0から1を生み出せる必要はありません。0⇒1が得意な人もいれば、1を10に成長させる人、10を10のまま継続させられる人も必要です。ときにはあえて10を0に戻すことも必要です。しかしながらすべては0⇒1から始まります。そのことが共通認識になっていればいいのです。
では0⇒1で生み出すべき本質的な価値とは何でしょうか?もちろん技術的なものもあれば、ビジネスという形もあります。しかし私たちは本質的に創り出すべきものは文化だと考えています。文化が進化することで技術もビジネスも変わります。つまりは社会環境を変容させることができるのです。

「実践に不可欠なプロデュース力」


プロデュース力を培う創生塾のプログラム@秘密基地

――実際にしろテラスのような地域社会をまきこんだ取り組みを進めることは容易ではなさそうです。

はい、多様な利害がぶつかります。既存の仕組みを分解して、再構築するようなことが求められるシーンもたくさんあります。だからこそ、何があっても自分たちの軸をもってやりきるプロデュース力が不可欠になります。
プロデュースに必要なのはまず聞く力、カウンセリングをするような力です。一人一人が何を想っているのか、本音を引き出すところから始まります。そして提案する力です。アイディアを具体化し、どうやれば実現できるかをまとめるコンサルティング能力のようなものです。さらに必要なのが一緒に関係者と現実に向き合い、学び、成長し続けるためのコーチングの力です。最終的には関わる人たちがバランスよくつながり、価値が循環し、持続発展的に“まわっている”状態を実現することが求められます。単純に言えば成長する“良い流れ”を創ることが必要なのです。  

「成長への羅針盤=おもてなし規格認証」


おもてなし規格認証 金認証の意義を説明する岡さんとスタッフのしおりさん

――なぜ、おもてなし規格認証を活用しようと考えたのですか?

しろテラスに至るまでに秘密基地でたくさんのチャレンジをしてきました。直接的なものでは公共空間活用の勉強会を北九州市と一緒にやったことが大きな価値になりました。また創生塾によって多様な知見をつなげ、プロデュース力を多くの仲間に共有することができたことも原動力になっています。
一方で秘密基地での学びだけでは地域社会全体を巻き込むことはできません。とくにしろテラスのような取り組みには、客観的に事業成長に向けて何が必要なのか、どういった水準にまで至っているのかを見える化する仕組みが必要になります。それがおもてなし規格認証を活用する私たちの理由です。
私たちはおもてなし規格認証取得を目的にしていません。あくまで成長のための羅針盤として戦略的に使っているにすぎません。今回、トラベラー・フレンドリー金認証を取得しましたが、今後は紺認証やさらに上位の施策活用も進め、私たちが為すべき伝統と革新の価値を体現していきたいと思います。  

「実社会に具体的な価値を提供し続ける」


新しい未来に挑戦する関係者の皆さん

――さまざまなバックグラウンドを持つ人々が秘密基地に集い、切磋琢磨をなさって、そこから新たな事業が生まれています。

しろテラスに至るまでの多くの経験で分かったことが3つあります。まず一つは「人はいくつになっても成長し続けられる」ということ。二つ目は「ものごとの本質は時代が変わっても変わらない」ということ。そして「一人一人の強みは社会で果たすべき役割になる」ということです。
だからこそ大事なことは表面的な変化に囚われないことです。自分たちが為すべきことを明確にし、絵空事ではなく、自分たちの可能性を理解して確かな道として描き切ることです。具現化することです。私たちの未来は与えられるものではありません、私たちが創り出していくものなのです。
私たちは秘密基地で学び、成長し、しろテラスを運営するようになりました。今が本当の意味で新しい社会を築くためのスタートラインだと思っています。地域の持っている力はまだまだこんなものではありません。だからとっても楽しいです。ここから生まれる未来を見に、ぜひ北九州に遊びに来てください。  

北九州まちづくりマネジメントチーム共同事業体

組織名 北九州まちづくりマネジメントチーム共同事業体
所在地 〒803-0813
福岡県北九州市小倉北区城内2-1
TEL 093-561-1210
ホームページ https://www.kokura-castle.jp/

認証機関

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私達一般社団法人OSTiは、全国で活躍するプロフェッショナル人材とのネットワークを形成し、地域社会の持続的な発展に貢献する社会価値の共創を実現するために設立いたしました。 産学官民金言各分野をまたぎ、政策から企業経営、まちづくり、大学での研究活動等その推進に事業プロデュースという形で貢献しています。
 

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